古代印章の楽しみ方 page3 | 1.2. |
3印章アミュレットの誕生 |
現在、戦争が行われているメソポタミアでは身を守るアミュレット(護符、お守り)や印章が作られていました。メソポタミアは砂漠で石の産出が無いため灌漑農業による豊富な農産物と他地域の良質な石を交易によって入手していました。 紀元前3千年頃にはこの貴重な石を使って印章とアミュレットの二つの役目を持った物が発明されました。これはライオンとか牛などの丸彫り小石の裏面を平らにして、そこに又、羊や山羊のような動物を陰刻した印章です。 シュメールのジエムデッド ナスル期(紀元前3200〜2700年頃)にはお護り兼ハンコとして大変大切にされたようです。丸彫りの形状は、ライオンや牛のように力強い動物が多いです。裏の平面には回転ドリルで複数の動物が彫刻されています。 | 写真(1) 牛の印章アミュレット シュメール・ウルク 紀元前3000年〜2800年 販売のページはこちらです |
写真(2) 雄ライオンの印章アミュレット シュメール・ウルク 紀元前3000年〜2900年 | この強い動物の形をしたアミュレットを身につければその動物の力が自分に乗り移ると古代の人々は考えました。装身具や身分を表すシンボルでもあったでしょう。これと同時に契約時に粘土に押すハンコとして、あるいは自分の所有権を示す役割や盗難予防という実際面でも大変貴重なものでした。 常に身に帯びるために回転ドリルで貫通孔が設けられています。これをネックレスのように吊したり、衣服にピンで止めたり腰にぶらさげて常時携行していました。写真(1)と(2)は、シュメールのウルク出土の印章アミュレットです。 ベルリンの中近東美術館には同様の横たわる牛とライオンの横顔があります。五千年も前に気の遠くなるような時間をかけて粗末な道具でこのような見事な美術品を生み出した執念と技術には感心させられます。この古代美術品と共に五千年のパワーを身につけてみませんか。 |
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