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とんぼ玉はこんなに面白いspace.gif page21.3.
アンティークビーズ

1.ヴェネチア共和国とオランダ

『とんぼ玉』は紀元前から連綿として作られて来ました。
17〜18世紀になると『とんぼ玉』は、大量生産の時代に入
って行きます。

この主役はヴェネチア共和国です。
ヴェネチア共和国は地中海貿易やオリエントとの交易の王者
でしたが、スペイン、オランダ、イギリスなどの強国の進出
でその力を低下させて行きます。

ヴェネチア共和国はその打開策としてアフリカとの交易用に
ヴェネチア独自のビーズをムラノ島で量産して勢力を盛りか
えします。

このアンティークビーズも世界の通貨として人々を魅了したように、とてもカラフルで魅力的です。

ヴェネチアに独占されたこの『とんぼ玉』製造技術をやがて
オランダが模倣してシェブロン玉など独自のビーズを作りア
フリカのみならず、特に東インド貿易会社の力を使ってアジ
アとの交易用に大いに利用しました。

ヴェネチア共和国のムラノ島にある秘密のガラス工房から、
暴風雨の夜ひそかにガラス職人をオランダへ運んで『とんぼ玉』の秘法を会得したと伝えられています。
しかし、ヴェネチアングラスが3割〜5割も鉛を多量に含む鉛
ガラスなのにオランダ玉は無鉛ガラスですから、この説には
私は疑問符をつけておきます。

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2.江戸とんぼ.和玉の流行

ヴェネチア、オランダの『とんぼ玉』は数世紀の間アフリカ、インド、アジア各国との貿易用のいわば貨幣として大量生産されました。

日本にも江戸時代に交易を許されていた唯一の国オランダからとんぼ玉が輸入され日本人の憧れの的になりました。日本人の趣味に合ったグラスビーズが作られ日本中に普及しました。日本ではネックレスよりむしろ、かんざし、根付、帯留めなどとして大流行します。西洋風に江戸趣味を加味した独特の『とんぼ玉』です。



3.中国のとんぼ玉

戦国時代に完成した戦国玉の技法は『とんぼ玉』から漢代
の副葬品や、唐代の香炉、置物などと用途が広がります。
しかし、その後、陶磁器の普及もあって何時しか『幻の技
法』となっています。

清朝になって鼻煙壺の生産のために新しくイタリアから
アルカリガラスの近代的製法が導入されます。
鼻煙壺とは携帯用のかぎ煙草入れでガラス製が主流でした。
『とんぼ玉』も清朝独自のデザインのものが流行します。

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